神 様 の カ ル テ


とても優しい気持ちになれた映画でした。原作と映画は比べるものじゃないとわかっていても、どうしても違和感を感じる映画はたくさんある。だけどこの映画には作り手の丁寧さが汲みとるようにわかって、なんの違和感もなかったな。今までは正直言うと役柄にもよるけど櫻井くんの演技は苦手でした。今回もまわりの役者陣に助けられているところが端々にあった。でも主役がまわりをひっぱる映画もあれば、まわりが主役を押し上げてついていく映画も観ていて心地いいもんだなと。エンドロール観ながらイチさんは櫻井くんでよかったんだと思えてうれしかったです。



イチさんとハルさん。すごく素敵な2人でした。穏やかなハルさんが変わり者のイチさんのどこに惹かれたのか初めは分からなかったのですが、監督のインタビューに「一止は患者のことで悩み、自分のキャリアに悩み、戸惑って苦悩ばかり。悩むってことは優しいということでもある。傲慢で自分勝手だったら悩まないでしょ。彼の優しい心がハルさんは好きなんだなって。」の一文を観終わったあと見つけてすごく納得できた。優しいから人は悩むんですね。


「イチさんが背負いこんだ荷物を軽くして頂くようにお願いしました。」「大丈夫。イチさんなら大丈夫ですよ。」ハルさんの言葉はいつもあたたかい。お互いが自分を必要としてくれていると実感できたら、こんな風に思いあえるんですね。


「悲しむのは苦手だ。」悲しみすぎると身がもたなくなるし、かといって悲しむことを忘れると真摯に患者さんと向き合うことができなくなる。わたしは実際に2年前、祖父を病室で家族みんなで看取った時、母と同じくらいの看護師さんが泣いていました。3年間毎日病院で付き添った祖母をいたわってくれて、足腰の悪い祖母のほうが体を壊してしまうんじゃないかと心配していた私達家族と同じように、ずっと気にかけてくれていたようです。祖母は何度もありがとうと言って手を握っていました。わたしはきっとその看護師さんのことは忘れないと思います。映画もずっと重ねて観ていました。イチさんの最後の涙でその時と同じ気持ちが甦りました。


ひとつひとつのセリフが、今の自分にも言ってもらいたい寄り添ったいい言葉ばかりでした。


それにしても…



終始いいなで肩でした。たくさんのプロモーションお疲れ様。その分たくさん追いかけられてたのしかったよ!次はひつじ!!